ミニシアター系映画の良さを考えてみる。

今更なんですが「『大日本人』はひどすぎる。」と怒り気味に言っていた人が職場にいたので考えさせられたわけです。『大日本人』は最初からミニシアター臭漂ってたんで一般ウケはしないだろと思って見てたのでうちにとってはおもしろい作品だったんですよ。地味に後から笑いがこみ上げてくるんですよね。そしてシュール。そのシュールさがたまらなかったりする。
一般ウケしないのが多いミニシアター系映画ですが近頃は便利になったものでシネコンで結構上映してる。昔よりは確実に見やすくなったのですが果たして見てる人ってどのくらいの身近にいるのかなと聞いてみたりした。そしたら意外にいないもので…ここまでマイノリティだとミニシアター系映画好きというだけでジャンルも聞かずに十分気が合う要素にもなりうるんじゃないかと思うくらい。
そんなマイノリティ映画のなかなか理解されない良さは何かとミニシアター系を見れる人見られない人の違いを考えてみよう。
ミニシアター系はとにかく地味。ハリウッドみたく派手な演出や展開は無い方が多い。そしてシナリオ重視しているのが多いしわかりやすく創られていない。「はい、ここが笑いどころですよー」とか「はい、ここは涙流すところですよー」とかわかりやすい演出や壮大なBGMもないので見る側にとってはわかりづらい。その分それぞれ考えながらみたり笑いのツボとか感動のツボとか十人十色の反応がある。中には雰囲気を楽しむことが魅力であったりする。そこが良い。
映画の評価には3種類あります。一般ウケのする映画、マイナーウケのする映画。一般ウケというのは興行収入とか売上の規模、観客動員数のデータで見られる。いっぱい人が見てるから人気。おもしろいと感じる人が多い=楽しめる映画。という論理をもっている人が多いのではないでしょうか。マイナーウケというのは瞬間的に売上が伸びないものの期間を通して安定して人が入りトータルで伸びるもの。リピーターや口コミでひろがるケースが多いです。
そして、評論家の感想や受賞作品をあてにして映画を見たら全然おもしろくなかったという原因になるクリエイターサイドウケが存在するのです。これは同業者や作品を創る側の人や関係者にウケるというもの。
これらのどの種類に自分がおもしろいと感じることが多いかでミニシアター系を楽しめる人、楽しめない人にわかれる。一般ウケ好きな人は見たままでおもしろいと感じないとおもしろくないのでミニシアター系に拒否反応をおこす人さえいる。マイナーウケ好きはミニシアター系に向いているけれどやはり興味のあるものでないと無理。クリエイターサイドウケ好きはいろんな視点で捉え各自それなりに分析してしまったり雰囲気だけでも楽しめるので楽しめる作品が一番多い。
結局見れるか見られないかの違いはストーリーがいまいちわかりづらい作品でも雰囲気だけで楽しめるかと自分には理解できない考えを全否定せず理解しようと少しでもできるかが大きいのだと思う。
といってもミニシアター系映画では経営上厳しいので縮小傾向にあるのです。もうからないけど隠れた良い作品が多いのがミニシアター。すぐ飛びつかないとすぐ公開が終わるのでなかなか時間が合わなかったり公開されている地域を探さないといけないのでそれこそネットで動画配信した方が見る人は確実に増えると思うんですけど利益が増えるのかどうかはやり方次第なんですよね。